風疹が流行しています
2018.10.01
首都圏を中心に8月中旬より風疹が流行しています。7月から8月の患者数は昨年度の2倍以上になっています。
風疹は春先から初夏にかけて多く見られる、急性のウイルス性発疹性の感染症です。2〜3週間の潜伏期間後に、発熱、発疹、後頭部や頚部、耳介後部にリンパ節腫脹や目の充血をきたします。子供が感染した場合、症状は比較的軽いといわれています。一方、大人は発熱や発疹といった期間が長く、関節痛なども見られます。また脳炎を発症し重症化することもあります。また根治治療はなく、症状を和らげる方法しかありません。
しかし、問題は胎児が感染すると、難聴、心疾患、白内障、精神身体の発達遅延などの障害を持って生まれてくる『先天性風疹症候群』が発生することです。特に妊娠12週までの初期に感染すると発生率が高くなることがわかっています。
今回の風疹に感染した患者さんの多くは成人で、特に30〜50代の男性が過半数を占めています。
1995年からは1歳時に男女とも予防接種が導入されています。また2006年からは麻疹風疹混合ワクチンの2回接種が導入されました。しかしそれまでは特に男子には風疹ワクチンが接種されなかったため、現在28〜41歳の男性はワクチン接種をしていない空白世代になっています。
その年代の男性が風疹にかかり、職場などで感染が拡大しています。
感染予防はワクチン接種しかありません。また風疹ワクチンは生ワクチンであるため、妊娠している方には接種することが出来ません。風疹にかかったことがない、かかったどうかわからない方は是非ワクチン接種をしていただくことをお勧めします。
1回の接種では免疫がつかないこともあり、また1回目の接種がかなり前であれば、抗体が低下している可能性があるため、2回の接種を勧められています。
当院では風疹の予防接種は男性の方でもお受けしております。
予防接種をした事がない方、接種をされた記憶が曖昧な方はこの機会に是非予防接種を受けてください。
なお茨木市では妊娠可能な女性のパートナーである男性の風疹ワクチンの助成制度があります。詳細は茨木市保健医療課(子供健康センター内)にお問合せ下さい。