大阪府茨木市の小児科医院「すぎた子どもクリニック」。

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マイコプラズマ感染症の診断 −迅速検査について−

迅速検査とは、特別な器械がなくても簡単な操作で短時間にウイルスや細菌などを検出することができる検査のことです。溶連菌、アデノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなどが小児科ではよく使われています。
迅速検査キットは正確さ、安全性、短時間に結果が出る、操作が簡単であることがクリアされて初めて販売が許可されます。

今回はマイコプラズマ ニューモニア(以下マイコプラズマとします)感染症における迅速検査についてご報告します。
マイコプラズマ ニューモニア感染症は数年ごとに流行し、子供の呼吸器感染症の主な原因細菌で特に幼稚園以降の子供に多くみられます。発熱と強い咳が特徴です。
マイコプラズマ感染症の確定診断は ①培養による分離 ②血液中の抗体価の上昇 ③遺伝子検査で行われますが、マイコプラズマ培養は菌を同定するのに時間がかかること、血液中の抗体価の上昇も時間がかかるため1回の血液検査で判定できるとは限らず、子供たちの負担となります。また、遺伝子検査は特殊な機器を持っている施設でしか行えないため、これらの検査を使ってマイコプラズマ感染症を急性期に診断することは難しいと言えます。
そこで急性期においてマイコプラズマ感染症の診断がもっと簡単にできないかということで迅速検査が開発され昨年度の8月より使用することが可能となりました。
採血せずに、のどのぬぐい液を用いて約20分間でマイコプラズマを検出するというもので、外来においても使用することができます。
しかし、使用する上で注意しなくてはならないことがあります。最も信頼性の高い遺伝子検査と比べたところの検査の感度(結果陽性が本当にマイコプラズマ感染であると判定される確立)は約60%と低く、さらに検査の時期やのどの分泌物の取り方次第で感度は低下します。また症状をきたさない保菌者も陽性(偽陽性)となることがあります。実際、偽陽性率が高く、現在回収中の検査キットもあります。
また特異度(結果陰性が本当にマイコプラズマ感染ではないと判定される確率)は90%であり、検査で陰性でもマイコプラズマ感染している方が10%程度はいるということです。

以上より、迅速検査は本当に簡便で早く結果が出るため、外来診療を行う上では有用ですが、検査だけに頼りすぎてしまうと診断を間違える可能性があります。
マイコプラズマ感染の診断には、いつの時代も流行状況、患者年齢、患者背景(集団生活をしているか?ご家族に症状がないか?など)、臨床症状や検査結果を加味した上で総合的に判断することが医師には必要で重要なことである。との結論でした。

Dr.sugita一言コメント

最近、迅速検査は一般に知られるようになり、時折、保育所から「下痢をしているからノロかロタかどうか検査をしてもらって、陽性だったらお休みするように」と言われましたと、検査希望で当院を受診される方がいらっしゃいます。
私はその都度どうしたものかと考えてしまいます。というのも先に書きましたように、迅速検査には限界があり、結果は100%正確ではないからです。それはインフルエンザの検査も同様に、発熱後すぐに検査をしても陰性と出ることがあります。
特に、マイコプラズマ検査のように感度が低いものはその判断は慎重にしなくてはなりません。
検査が発達してきた今でも、医師は患者さまを総合的に診断しなくてはなりません。今回の講演を聞き、検査だけに頼りすぎてはいけないと再認識しました。

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