大阪府茨木市の小児科医院「すぎた子どもクリニック」。

最新学会情報

ロタウイルス腸炎について

入院中に別の感染にかかる、いわゆる院内感染の約15%がロタウイルスと言われています。それは発展途上国だけでなく、先進国である国々でさえもその割合は変わりません。それだけロタウイルスの感染力は強く、いくら対策をしても防ぎきれないということです。ましてや保育所、幼稚園となると、一旦感染者が出ると大流行となります。
また、ロタウイルスは胃腸炎のみならず、脳症の合併も起こすことが知られており、毎年数例の死亡例と約20例の脳症が報告されています。
今回の研究会においても、ロタウイルスに感染して数日後に急激に症状が悪化し、救急車搬送後6時間で死亡した症例や、1週間前より下痢嘔吐があり、一旦症状が改善したものの、急激にショック状態となり、入院6日目に亡くなった症例が発表されました。
このように完全に感染拡大を阻止できないこと、重症化することから、ロタウイルスワクチン接種が必要であると思われました。

ロタウイルスワクチンは既に接種が始まっていますが、当初よりワクチンにより腸重積症(小腸が大腸の中に入り込んで腸閉塞を発症する病気)の割合が増えるのではないかという問題があります。今回ワクチンを販売している会社よりワクチン開始後の状況が報告されました。
日本でのロタワクチンの発売前に海外で調査をしたところ、1回目接種後7日目までで接種していない人に比べると腸重積症の発症リスクがやや増加し、特に1回目接種時の週数が遅いほど腸重積症が起こりやすい傾向にあることが判明していました。日本においては、現在まで約10万回接種にあたり、腸重積症が5〜6人発症していますが、ワクチンを接種していない人と比較しても、発症率には大きな差はなく、安全性について問題はないとのことでした。ただ、接種1回目の7日以内での発症が多いかどうかはまだ患者数が少ないことから不明でした。今後も腸重積症の患者数の把握とその状況を観察していく必要があると思われます。

Dr.sugita一言コメント

ロタウイルスや大腸菌感染症について、様々なことが判明されつつあるにもかかわらず感染者が多く、亡くなられる方がまだまだいらっしゃいます。感染しないように十分な注意が必要だと再認識しました。
ロタウイルスは吐物や下痢便の処理時はマスク、ゴム手袋を着用し、速やかにふき取ること。手洗いをしっかりすることで予防してください。そして、できるだけ早いうちにワクチンを接種して重症化を防ぎましょう。

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