かぜ
急性上気道炎、いわゆるかぜです。経過はのどのイガイガ感、痛みや鼻水からはじまり、発熱(微熱のことが多い)、全身のだるさが出現しますが、3日ぐらいでそれらの症状は治まってきますが、かわりに鼻汁が黄色くなったり、痰が黄色くなったりしてきます。1週間程度で治癒していきます。これらの原因のほとんどがウイルスで、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、エンテロウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス…があげられます。最近は新しいウイルスも発見されてきています。したがって急性上気道炎(かぜ)には抗菌薬は必要がありません。症状を抑えるお薬で治療をしていきます。
必要のない抗菌薬を多く使うと薬剤耐性薗を増やす事になり、それらによる病気が起こった場合、治療に苦労することになります。今回の学会でも薬剤耐性菌の増加と、耐性度が強くなっているという報告がたくさんありました。このような状況を少しでも良くするためには、医者側は容易に抗薗薬を使用しない、患者側は抗薗薬(抗生物質)を欲しがらない、もらった日数をきっちり飲ますこと、熱が出たからといって取り置きした抗菌薬を勝手に飲ませたりしないことなどが大事です。

例外的にかぜから進行して副鼻腔炎、中耳炎などが起こることがあります。このような時は抗菌薬が必要となります。数日経っても熱が下がらない場合、高熱が続く湯合、咳が強い場合などは早めに受診するようにしましょう。