薬剤耐性マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマは呼吸器感染症の主要な原因微生物です。 気管支炎や肺炎の原因としてよく知られています。 治療にはマクロライド系抗菌薬を用いますが、今までは薬が効かない薬剤耐性マイコプラズマはほとんど検出されておらず、実際の治療にはほとんど影響がありませんでした。ところが、2000年ごろより薬剤耐性マイコプラズマが検出され始め、現在は全体の15%程度に薬剤耐性がみられています。入院患者の多い病院からは50%近くが耐性であったという報告もあります。この耐性マイコプラズマは小児からしか検出されていません。今のところ、耐性マイコプラズマ感染症が重症化しやすい、という傾向は見られておらず、耐性もマクロライド系抗菌薬のみであるため、治療が困難な例は少ないようです。

今後、多くの薬剤に耐性を持ったり、重症化したりする例が出てくるかもしれません。抗菌薬を正しく使用して耐性化を進めないようにしたいものです。